40代・50代の『夜中に何度もトイレに起きる・くしゃみで漏れる』は骨盤底筋の衰えかもしれない|男女ともに落ちていく“奥の筋肉”を自宅で立て直す実践ガイド

40代 骨盤底筋 トレーニング 筋トレ

結論から言います。

「くしゃみで漏れる」と「夜中に何度もトイレに起きる」は、症状としては近く見えますが、原因の中身がかなり違います。

前者は骨盤底筋(こつばんていきん)を鍛え直すことで変わる余地が大きい。後者は骨盤底筋だけの話ではなく、水分の摂り方・血圧・睡眠・前立腺など複数の要因が絡みます。

だから、やるべきことは2つ。骨盤底筋を正しく立て直すことと、夜間頻尿のほうは「筋肉のせい」で片づけずに切り分けること。この記事ではその両方を扱います。

「漏れる」と「夜中に起きる」を同じ棚に置かない

筆者は40代の後半にさしかかった頃、飲み会の翌朝に3回トイレで目が覚めた日がありました。

年齢のせいだと思っていました。実際、同年代の友人に話すと「うちもそう」で会話が終わる。この「みんなそうだから」で終わらせる空気が、実のところいちばん厄介だと思っています。

くしゃみ・咳・重い荷物で漏れるタイプ

お腹にグッと圧がかかった瞬間だけ漏れる。これは腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)と呼ばれるタイプです。

尿道を締めているフタの力が、瞬間的な圧に負けている状態。ここは骨盤底筋トレーニングの出番で、女性の腹圧性尿失禁に対しては、泌尿器科の診療ガイドラインでもまず勧められる対処のひとつとして位置づけられています。

薬でも手術でもなく、自分の身体でできる。ここが救いだと思いませんか。

夜中に何度も起きるタイプ

こちらは事情が複雑です。

夜間頻尿の背景としてよく挙がるのは、夜のあいだに作られる尿の量が多いこと、膀胱に溜められる量が減っていること、そもそも眠りが浅くて目が覚めたついでにトイレへ行っていること。この3つが単独だったり重なっていたりします。

3つめの「眠りが浅い」が主な原因という場合もあります。動悸や日中のだるさが並んでいる人は、自律神経の乱れを運動で整える方法のほうから手をつけたほうが早いこともあります。

日中に脚へ溜まった水分が、横になった途端に戻ってきて尿になる——というパターンも珍しくありません。夕方に足がむくむ自覚がある人は、けっこう当てはまります。

つまり、骨盤底筋を鍛えたら夜のトイレがゼロになる、という単純な話にはなりにくいのです。ここを正直に書かない記事は、あまり信用しなくていいと思います。

先に医療機関へ行ったほうがいいサイン

  • 血が混じる、痛みや発熱がある
  • 尿の勢いが弱い、出し切れない感じが続く(男性は前立腺の変化が絡むことがあります)
  • 数週間で急に悪化した
  • 強いいびき・日中の強い眠気がある(睡眠の問題が夜間頻尿に絡むケースがあります)
  • 足のむくみが強い、血圧や血糖の数値を指摘されている

ひとつでも当てはまるなら、自宅トレーニングより先に泌尿器科です。

恥ずかしさで先延ばしにする気持ちはよく分かります。ただ、待ったところで得るものは何もありません。

40代 骨盤底筋 トレーニング

骨盤底筋という「奥の筋肉」の正体

骨盤の底に、ハンモックのように張られた筋肉の層があります。それが骨盤底筋群です。

役割は主に3つ。内臓を下から支えること、尿道や肛門を締めること、そしてお腹の中の圧(腹圧)を調整することです。

腹圧の調整という一点で見ると、骨盤底筋は横隔膜や腹横筋とセットで働く「体幹の内側のユニット」の一部です。土台側をどう鍛えるかは40代・50代の体幹トレーニングの実践メニューで具体的にまとめています。

腹筋や背筋のように鏡で見えないので、意識から完全に外れている。40代を過ぎて筋トレを再開しても、ここだけ手つかずで放置されがちなのはそのためでしょう。

男性にも確実に関係がある

「骨盤底筋=産後の女性のもの」というイメージが根強いのですが、これは半分しか合っていません。

男性にも同じ構造があり、加齢や体重増加、慢性的な咳、長時間の座りっぱなし、排便時の強い力みなどで負担がかかります。前立腺の手術後に尿もれが起きた場合、回復を後押しする方法としても使われています。

筆者の周りでも、ゴルフのスイングやくしゃみでヒヤッとした経験を持つ50代男性は、聞けば意外といます。ただ、誰も自分からは言い出さないだけで。

なぜ40代以降に落ちていくのか

女性の場合は、出産の経験に加えて、更年期前後の女性ホルモンの変化が組織の弾力に影響します。

男女共通の要因としては、体重増加、運動不足、座っている時間の長さ、便秘や慢性的な咳による日常的な圧の負担。

そして単純に、使わない筋肉は細くなる。骨盤底筋も骨格筋の一種なので、この原則から外れません。裏を返せば、鍛え直せる筋肉だということでもあります。

加齢にともなう筋力低下と運動の関係については、厚生労働省 e-ヘルスネットの運動に関する解説が一次情報として確認しやすいです。

40代 骨盤底筋 トレーニング

自宅で立て直す4ステップ

器具はいりません。必要なのは、正しい場所に力を入れる感覚と、それを続ける仕組みだけです。

ステップ1:まず場所を「見つける」

仰向けで膝を立て、身体の力を抜きます。

そこから、おならを我慢するように肛門まわりを、そして尿を止めるように尿道まわりを、身体の内側へ引き上げる。この「引き上げる」感覚がポイントです。押し下げるのではありません。

お腹・お尻・太ももに力が入っていたら、それは代わりの筋肉が働いている合図。手をお腹に当てて、そこが硬くならない範囲で探してください。

なお、排尿の途中で尿を止める動作は、感覚を確かめる一回きりの確認としてはともかく、毎回の練習法としては勧められていません。膀胱への負担が懸念されるためです。

ステップ2:速い収縮とゆっくりの収縮、両方やる

速い収縮は、1秒キュッと締めて1秒ゆるめる。これを10回。くしゃみのような瞬間的な圧に対応する力です。

ゆっくりの収縮は、3〜5秒締めて、同じ時間かけてゆるめる。これも10回。慣れてきたら締める時間を伸ばします。

この2種類を1セットとして、1日2〜3セット。歯磨きの後、通勤電車の中、デスクワークの合間。座ったままでもできます。

ステップ3:呼吸に乗せる

息を吐きながら締め、吸いながらゆるめる。

骨盤底筋は横隔膜と連動して上下に動いています。息を止めて力むと腹圧が上がり、かえって骨盤底を押し下げてしまう。ここは筆者が最初にやらかした失敗そのものです。

3週間ほど、歯を食いしばってお尻に力を入れる作業を「トレーニング」だと思ってやっていました。腰が張っただけで終わりました。呼吸を意識した途端に、力が入る場所が変わったのを覚えています。

ステップ4:スクワットやヒップリフトに乗せる

単独の締め運動に慣れたら、日常の動きに組み込みます。

スクワットなら、しゃがんで戻ってくる立ち上がりの局面で、息を吐きながら骨盤底を引き上げる。ヒップリフトなら、お尻を持ち上げる瞬間に同じことをする。

それと、くしゃみや咳が来ると分かった瞬間に先に締めておく。これは日常のコツとして地味に効きます。いや、本当に。

変化の判断には3ヶ月ほど見てください。2週間で何も起きなくても、それは普通です。筆者も一度そこで投げ出しかけました。

あと、意外と見落とされるのがタンパク質です。骨盤底筋も筋肉なので、鍛える刺激と材料の両方が要る。食事だけで足りない日が続くなら、粉のプロテインを1杯足すくらいの補い方はしておいて損はないと思います。マイプロテインの価格帯やフレーバーはこちらで確認できます。

40代 骨盤底筋 トレーニング

続け方の選択肢を並べて比べてみた

この手のトレーニングの最大の敵は、効果が出ないことではなく、忘れることです。

筆者の実感では、一人で続けられる人は3割いない。だから「続く仕組み」ごと選ぶ視点で並べてみました。

方法 費用の性質 特徴 向いている人
完全に自宅でセルフ 0円 いつでもできるが、正しさの確認ができない・忘れる 自己管理が得意で、まず試したい人
オンラインのヨガ・フィットネス 月額制(体験レッスンあり) 自宅から参加。骨盤底筋や体幹まわりのプログラムがあり、予約が強制力になる 時間が取れない・人目が気になる人
スタジオに通うホットヨガ 月額制(体験あり) 身体を温めながら呼吸と骨盤まわりを整える。通う行為自体が習慣になる 家だと集中できない、外に出たい人
泌尿器科・専門外来 保険診療の範囲 原因の切り分けと、必要なら薬や専門的な指導 症状が強い、原因がはっきりしない人

料金は改定が入るので、金額はそれぞれの公式ページで確認してください。ここに古い数字を書いても意味がないので。

家から出ずに、誰にも見られずやりたいなら

オンラインのレッスンは、この分野とは相性がいいと思っています。骨盤底筋の話題は、対面だと聞きにくい。画面越しなら、その心理的なハードルがまるごと消えます。

ライブ形式で予約を入れておくと「その時間は身体を動かす」という枠が生まれるので、忘れる問題にも効きます。オンラインヨガのSOELUは体験から試せます。

外に出る強制力がほしいなら

自宅だと家族の目や生活音でどうしても中断する、という人はスタジオ型のほうが向いています。

温かい環境で呼吸を深くしながら動く時間は、骨盤まわりの緊張をゆるめる意味でも悪くありません。ホットヨガのLAVAは店舗数が多く、体験レッスンも用意されています。

夜のトイレ回数に効く、筋トレ以外の手当て

骨盤底筋の話だけで終わらせないと言った以上、こちらも書いておきます。

  • 夕方以降のカフェインとアルコールを減らす(アルコールは特に効きます。筆者は晩酌を週2に減らした時期に、夜中に起きる回数が明らかに減りました)
  • 水分は日中に寄せる。夜に一気に飲まない
  • 夕方、脚を心臓より高くして15〜30分ほど横になる。むくみを先に戻しておく発想です
  • 日中に歩く。ふくらはぎのポンプが働くと、夕方のむくみ方が変わります(ふくらはぎを「第二の心臓」として鍛える下腿トレーニングも参考になります)
  • 寝る直前にもう一度トイレへ行く

どれも地味です。ただ、地味なものほど効き目が長持ちする、というのが40代を過ぎてから実感していることでもあります。

運動を習慣にしたい40代・50代女性に人気のサービス

「一人だと続かない」「今さらジムは気後れする」という方は、女性向けに設計されたサービスから選ぶと始めやすいです。

※ 上記はアフィリエイトリンクです。料金・店舗エリアは公式サイトでご確認ください。

まとめ

  • くしゃみ・咳での尿もれは、骨盤底筋トレーニングで変わる余地が大きい
  • 夜間頻尿は原因が複数。筋肉の話に回収せず、水分・アルコール・むくみ・睡眠も同時に見る
  • トレーニングは「速い収縮」と「ゆっくりの収縮」の2種類を1日2〜3セット
  • 息を吐きながら締める。力むと逆効果
  • 判断は3ヶ月。2週間で結論を出さない
  • 血尿・出にくさ・急な悪化があれば、まず受診

あなたの状況別・次の一手

まず無料でひとつ試したい人
今日から仰向けで「引き上げる」感覚を探すところから。器具も費用もいりません。3ヶ月分のカレンダーに印をつけるだけで、続く確率は変わります。

一人だと絶対に続かない自覚がある人
予約という強制力を借りるのが早い。自宅から参加できるオンラインヨガのSOELUか、通うことが習慣になるLAVAのどちらかを、体験で比べてみるのが現実的です。

筋肉を落としたくない・身体づくりごと整えたい人
トレーニングの刺激に加えて材料も要ります。1日のタンパク質が足りていない日が多いなら、プロテインで補う選択肢を検討する価値はあると思います。

よくある質問

Q. 何回やれば変化が出ますか?

個人差が大きく、一概には言えません。臨床の場では3ヶ月ほど継続してから評価することが多いようです。2週間や1ヶ月で判断せず、まずは季節がひとつ変わるくらいの期間を見てください。

Q. 男性がやっても意味はありますか?

あります。男性にも同じ骨盤底筋群があり、加齢や体重、力みの習慣で負担がかかります。前立腺の手術後の尿もれに対して回復を後押しする方法として使われている実績もあります。

Q. 尿もれ用のパッドを使うのは負けですか?

まったく違います。安心して外出できることは生活の質そのものです。パッドで日常を守りながら、並行してトレーニングを進めればいい。二者択一で考える必要はありません。

Q. 腹筋運動をたくさんやれば代わりになりますか?

なりません。むしろ息を止めて力む腹筋運動は腹圧を上げ、骨盤底に下向きの負担をかけることがあります。腹筋を鍛えるなら、呼吸を止めない種目を選ぶほうが無難です。

Q. 病院に行くとしたら何科ですか?

泌尿器科です。女性は婦人科でも相談できますが、尿の症状が主なら泌尿器科が専門になります。女性医師のいる外来やウロギネ外来を探す方法もあります。

※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたもので、医療・栄養の専門的指導の代替ではありません。持病のある方・服薬中の方・通院中の方は、運動や食事の内容を変更する前に必ず医師等の専門家にご相談ください。効果には個人差があります。

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