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健康診断では「異常なし」と言われた。
なのに、なぜか疲れが抜けない。朝からだるい。筋トレを再開しても、以前のように身体が反応しない。冷え性がひどくなった気がする。
40代後半から50代にかけて、こうした不調を抱える人は思いのほか多いのです。
筆者自身、48歳のときに人間ドックで「貧血なし」と判定されながら、階段を上るたびに動悸がするという経験をしました。調べてみて行き当たったのが、フェリチン(貯蔵鉄)の低下、いわゆる「隠れ貧血」という状態です。
この記事では、40代・50代に増えている隠れ貧血のメカニズムと、日々の食事・プロテイン・宅食でどう対処していくかを、できるだけ実用的にまとめます。

ヘモグロビンが正常でも、鉄は足りていない?
まず、用語を少しだけ整理させてください。
血液検査で一般的に測るのはヘモグロビン(Hb)で、これは「今まさに血液中で酸素を運んでいる鉄」の量を反映しています。一方、フェリチンは肝臓や筋肉などに貯蔵されている「備蓄分の鉄」。家計で言えば、ヘモグロビンが今月の財布の中身、フェリチンが預金残高のようなイメージです。
ここが40-50代にとって重要なポイントで、預金(フェリチン)が尽きかけていても、財布(ヘモグロビン)にお金が残っていれば、健康診断では「異常なし」と出てしまいます。
つまり、ヘモグロビン正常=鉄は足りている、とは限らないのです。
フェリチンの適正値はいくつ?
日本の基準値では、フェリチンは女性で5〜150ng/mL、男性で20〜250ng/mL程度が正常とされていることが多いです。
ただ、分子栄養学の界隈では「本当に元気に動ける水準はもう少し上」と言われていて、女性なら50〜80ng/mL、男性なら100ng/mL前後を目標にすべき、という意見もあります。
基準値の下限ギリギリでも「異常なし」と書かれる。ここが見落としの温床になっているのですね。
40-50代に隠れ貧血が増える理由
若い頃は平気だったのに、なぜ今になって、と思う方も多いでしょう。理由はひとつではありません。
- 胃酸の分泌が落ちる:40代以降、加齢や薬の影響で胃酸が減ると、鉄の吸収効率が下がります。
- 食が細くなる:若い頃ほど肉を食べなくなり、結果としてタンパク質も鉄も不足しがちに。
- 女性は更年期前後の出血量変化:経血量が一時的に増える人もいて、鉄の消耗が進むケースがあります。
- 運動や発汗:汗からも微量に鉄は失われていて、筋トレ習慣のある中年はむしろ消耗が早いことも。
- 慢性的な胃腸の炎症:ピロリ菌感染や萎縮性胃炎なども、鉄吸収を妨げる一因になります。
いろいろ重なっている、というのが正直なところです。
隠れ貧血のサイン、思い当たりませんか
以下のような症状が続いている場合、フェリチン不足を疑う価値はあると思います。
- 寝ても疲れが取れない、朝起きるのがつらい
- 階段で息切れ、少しの運動で動悸
- 筋トレの重量が伸びない、回復が遅い
- 髪が抜けやすい、爪が割れる・反る
- 手足の冷え、夏でも寒い
- まぶたの裏が白っぽい
- 氷をガリガリ噛みたくなる(氷食症)
- 集中力が続かない、気分が落ちやすい
ひとつやふたつなら加齢のせい、で片付けてしまいそうですが、複数重なっていたら一度クリニックでフェリチンを測ってもらう選択肢もあります。保険適用外でも、数千円で測れることが多いです。

鉄を増やすなら、タンパク質とセットで
ここからが実践編です。
鉄を食事から摂るときに意外と見落とされがちなのが、タンパク質不足だと鉄は使えないという事実。ヘモグロビンもフェリチンも、土台はタンパク質でできているので、鉄だけサプリでガンガン入れても、材料が足りなければ活かしきれません。
40-50代は、そもそもタンパク質摂取量が推奨量を下回っている人が多いと言われています。体重1kgあたり1.0〜1.2gを目安に考えると、体重65kgの方なら1日65〜80g。意識しないと届かない量です。
鉄が多い食品の組み合わせ方
鉄には吸収されやすいヘム鉄(動物性)と、吸収されにくい非ヘム鉄(植物性)があります。40-50代の胃腸を考えると、ヘム鉄中心のほうが現実的です。
- 赤身の牛肉(もも・ヒレ):週2〜3回は意識して
- レバー(鶏・豚):月2回ほどでも違いが出る
- かつお・まぐろの赤身:手軽に鉄とタンパク質が同時に摂れる
- あさり・しじみ:味噌汁にすれば続けやすい
- 卵:1日2個くらいまでは気にしなくてよいという意見が多い
ビタミンCを一緒に摂ると非ヘム鉄の吸収が上がるので、ブロッコリーやパプリカ、果物を添えるのが定番の組み合わせ。反対に、コーヒーや濃い緑茶のタンニンは鉄吸収を妨げるので、食事の前後30分は控えたほうが無難です。
プロテインで土台を埋める
とはいえ、毎日赤身肉を焼くのは現実的ではありません。筆者も平日はほとんど用意できない日がありました。
そこで足りない分を埋めるのに便利だったのが、質のいいホエイプロテインです。安くて種類も豊富で、朝の1杯をルーチンにしてしまえば、それだけで20g前後のタンパク質が確保できます。
コスパで選ぶなら、海外ブランドでずっと人気のあるマイプロテインあたりが無難なところ。味の種類が多いので、50代でも飽きずに続けやすいのは意外と大事なポイントです。
注意点として、プロテインだけで鉄は補えません。あくまで「鉄を使うための材料(タンパク質)を底上げする」役割と捉えてください。
忙しくて料理が追いつかない人は、宅食という手もある
正直に言うと、40-50代で仕事も家庭も抱えている世代が、毎食タンパク質30gと鉄分をきっちり計算して料理するのは、かなりしんどいです。
筆者も一時期、仕事が忙しかった時期に冷凍の宅食を週3回ほど使っていました。マッスルデリのような、タンパク質と栄養バランスを設計した冷凍弁当は、レンジで温めるだけで「ちゃんとした食事」が出てくるので、疲れている日ほどありがたみが増します。
自炊できる日は自炊、できない日は宅食、という緩い使い分けで十分。ゼロか100かで考えず、「埋めるように使う」と続きやすいですね。
サプリで鉄を足すときの注意
食事と宅食で土台を作っても、フェリチンが一桁台まで落ち込んでいるような状態だと、食事だけでの回復には数ヶ月〜年単位かかります。
そうした場合には、ヘム鉄サプリが選択肢になります。楽天などで買えるヘム鉄サプリは種類が豊富で、価格帯も幅広いので、続けやすいものを選びやすいはず。
ただし、鉄の過剰摂取は肝臓に負担をかけます。とくに男性は閉経前女性と違って鉄を排出しにくいので、自己判断で高用量を長期間飲むのは避けたいところ。できれば一度フェリチン値を測ってから、必要量を判断するのが安全です。
まとめ:疲れやすさを「年のせい」で片付ける前に
40代後半から50代の不調は、ホルモンの変化や老化だけが原因とは限りません。フェリチン不足=隠れ貧血は、健康診断だけでは見抜けないけれど、改善すれば生活の質が目に見えて変わる領域でもあります。
ポイントをあらためて整理すると、次のような感じです。
- ヘモグロビン正常でも、フェリチンは別物
- 疲労・冷え・筋トレ効果低下が重なるなら一度測る価値あり
- 鉄だけでなく、タンパク質も同時に底上げする
- 赤身肉・魚・卵を中心に、週単位で組み立てる
- プロテイン・宅食・サプリは「埋める道具」として使う
若い頃と同じやり方では、身体がついてこない年代に入ったということなのかもしれません。
でも見方を変えれば、材料と仕組みを正しく揃えれば、50代からでも身体はちゃんと応えてくれます。いきなり全部やる必要はないので、朝のプロテイン1杯、週2回の赤身肉、あたりから試してみてはどうでしょうか。
小さな変化を3ヶ月積み重ねた頃、階段を上るときの息切れが減っていたら、それが答えです。


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